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庭を持つ意味について

私の住む滋賀県南部では急速な宅地化により田畑は失われ巨大な住宅地が次々と生み出されています。宅地の外観はどれも画一的で同じような家と駐車場、カーポートが林立し樹木は申し訳程度に植えられています。 現在、多くの住宅は高気密・高断熱を謳い、外気と屋内を遮断し空調を使うことで屋内の気温を保ち快適に暮らすことが出来ます。しかし、外気との遮断はその土地の風土と人を切り離し、風土から離別しているように思えてなりません。 物質的には十分豊かであり生活にも何不自由ない、そのような中で庭を持つ意味とはいったいどこにあるのか。その答えを自身の中に見出さなければ良い庭はできないように思います。人によりその答えは様々であり無限にあるかもしれません。私が思う庭を持つ意味とは

「人とその土地の風土・自然との繋がりを持つ手立て」
「 日々の生活の中での精神的な豊かさを手に入れる 」

という事ではないかと思います。庭を通し四季の移ろいを感じ、人間自身が自然の一部であることを知るとともに、自然の美しさ、自然の心地よさを知ることで物質的な豊かさでは補えないを精神的な豊かさ手に入れる。 その為には人の暮らしと、その土地の風土の間に立ち、意匠的になり過ぎず、時間の経過に押しつぶされることのない思いを込めた庭を作れればと考えます。そして何よりも私と私に繋がる数えきれない人々とその子孫たちが末永く心地よく過ごせる場を作れればと思います。